ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
 ぷんぷん怒りながらダイニングに行くと、すっかり外出の支度をしたお母さんがいた。私と沙織を送り出した後、カルチャーセンターかどこかへ出掛けるのだろう。お母さんは社交的だから、別に珍しい事ではないけど。


「あら彩花、おはよう」


「おはよう……」


「どうしたの? 朝から機嫌悪そうね?」


「べつに……」


「沙織とまたもめたの?」


「まあね」


「あなた達は姉妹なのに、どうして仲良く出来ないのかしらね?」


「沙織が悪いのよ。妹のくせに生意気なんだから……」


 私がテーブルの椅子に腰掛けると、お母さんがいつも通り私にサラダを持って来てくれた。私は、朝はサラダしか食べないようにしている。


< 49 / 417 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop