ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
 中野和也は、今日も購買で買ったらしいパンを食べながら本を読んでいた。パンはもう食べ終わっていたけど。


 私は彼のすぐ横まで行って立ち止まったけど、彼は私に気付かないらしく、本から目を離さなかった。


「中野君……」


 仕方がないので声を掛けると、ようやく彼はゆっくり顔を上げ私を見た。


 涼しげな目で私を見上げる中野和也は、憎らしくなるほどカッコイイ。不覚にも、胸がドキドキして顔がカーッと熱くなってしまった。


「何?」


「あ、えっと……」


 私とした事が、緊張して言葉が出て来ないなんて、うそみたい。


「早く言えよ」


 そんな私に、中野和也はじれったそうに催促した。さも嫌そうな顔で。

 この男、やっぱりムカつく!


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