ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜

「どうって聞かれても、べつに……」


　それが中野和也の答えだった。横を向いたまま、抑揚がなく、感情がこもっていない言い方だった。


　私は、彼のその失礼な態度に腹を立てながらも、グッとそれを堪えた。そして恥を忍んで、


「私に興味ない？」


　と聞いてみた。言ってしまってから、媚びた感じの声と言い方になった事に、自分でも驚いたけど。


　すると中野和也は、「え？」と驚いた顔を私に向けた。


「それはどういう意味？ もし俺があんたに興味があったら、どうなるわけ？」


「え？ それはその……、付き合ってあげてもいいかな、なんて……」


　私は恥じらいながらそう言った。こういう場面では普通は演技で恥じらうのだけど、今回だけは演技ではなく本当に恥ずかしくて、顔が熱くなるのが自分でもわかった。