ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
 鏡に写る髪が真っ黒になった私は、やはりだいぶ感じが変わっていた。


 美容院を出た頃は既に夕方になり、少し肌寒かったけど、私の気分は上々で、鼻歌を口ずさみながら自転車のペダルを漕いでいた。家に帰ってメイクをするのが楽しみで。



「ただいま……」


「おかえり……って、彩花、どうしたの、その頭!?」


 家に帰ると、お母さんは私の黒く染めた頭を見て目を真ん丸にして驚いていた。


「美容院で染めてきちゃった」


「どうして? 学校で何か言われたの? だったら私が先生に説明するわよ? 彩花の栗色の髪は地毛だって……」


「違うよ。気分転換で染めただけ。どう、似合う?」


「悪いけど彩花……、全然似合ってないわ」


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