あの頃、テレフォンボックスで
「森川くんは・・・
確かに傷つけたのかもしれないけど、
知らなかったんだもの。

好きでいるだけじゃ、
一緒にいるだけじゃ

ダメなんだってことを。」


「じゃ、今のあなたはどうなのよ?
好きで一緒にいるだけで
それだけでいいの?」


答えられない。



私はケイタが欲しいのだ。


心はいつも繋がっている。
離れていてもそう思う。

一緒にいるとなおのこと、
その思いが強くなる。


それなのに
私たちの体は触れ合うことができない。


それがもどかしくて
ただ抱き合い、

キスをする。


そうしたら一層
足りないものが何かということに気付いて

二人して苦しくなるのだ。


私たちは求め合っている。


・・・・・でも、できない。
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