あの頃、テレフォンボックスで
聖夜の空に
私は、
毎日未来と話をするように
努力した。


未来の話を聞き出すだけではなく、
自分の話を。


今日行った店のこと・・・
お昼にやってたテレビ。

好きな俳優について・・・
志穂とつるんでばかりいた
私の学生時代。


そして、佐山と出会ってからの日々について
少しずつ・・・・・


未来は、
私が考えていたほど
大人ではなくて、

でも、いつの間にか
小さな子どもではなくなっていて・・・


今まで、
そんなことにも気付かなかった
自分が情けなかった。



私という人間について、
未来にもわかってもらえるように
こんな風に
少しずつ話をすることが
大切なんだって、
やっとわかった。


未来も少しずつ
私に対して
閉ざしていた口を開くようになった。



それからしばらくして
「ママ、ごめんね。

・・・・えっと・・・・長井くんとは
仲直り・・・したから。」



照れくさそうに、
そう教えてくれた。
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