わたしは女の子になる。

「頑張って私を探してね」

そう言うと、一生懸命探そうとしてくれる。


「そうだ、あのね、この子がうちのクラスの子と付き合っててー、」

なんて、私のどうでもいい身内ネタも、つまらない顔ひとつせずに聞いてくれる。



こうやって、私の世界を知らない彼と、彼の世界を知らない私の、お互いの世界が、交差して、混ざり合っていく。


交じり合わなかったはずの私たちの世界が、混ざり合っていく。


きっと、こういうことを、運命って呼ぶんだ。


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