わたしは女の子になる。
「そうだ! 肩たたき券使おう!!」
彼の私いじめがひとしきり終わった後、突然彼がそんなことを言った。
「あー…そういえばずっと使ってなかったもんねぇ」
『肩たたき券』は、一昨年の彼の誕生日に私があげたプレゼントのこと。
もはやネタだったんだけど、やっと日の目をみる機会に巡り合った。
「でもさー、アレって一回きり? だったら勿体ないんだけど」
「えー…、じゃあ、フリーパスでいいよ」
「よっしゃ! さあ揉め!!」
私の言葉を聞いた彼が、意気揚々と肩を私に向ける。
「いや、あの肩たたき券を提示して頂かないと無いとムリです〜」
「うっわ、なんだこの女! 超めんどくせー!」
そう悪態を吐きながらも、ちゃんと部屋に戻って、例の券を取りにいった。
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