わたしは女の子になる。
ふと時計を見ると、すでに5時を回っていた。
「お母さん何時に帰ってくるの?」
「んー、いつもだったら5時半とか6時かなぁー」
「え、じゃあもうすぐじゃんね。お母さんと会ったらあれだよね…」
「まぁ別に隠してるわけじゃないからいいんだけどねー」
『隠してるわけじゃない』って、一体私をどんな風にお母さんに伝えてるんでしょうね。
「……でも、そろそろ帰るよー」
立ち上がって荷物をまとめようとすると、彼も立ち上がる。
私の後ろで、私をまじまじと見下ろしながら、
「ちっちゃいなぁ……」
と、呟いた。
……いまさらそんな私のコンプレックスを呟かなくたっていいじゃないか。
しかも、彼は私の真後ろで、私の背中が彼の身体に触れてしまう近さにいるから、
すごく、すごく、心臓に悪い。
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