抵抗軍物語 ディスティニーズクロス
「さっきも言ったよねぇ…。私の目の前で変なラブコメ繰り広げないでくれないかなぁ…?」
実は美都、昔から恋愛経験は豊富な癖に、どういう訳か全うな恋愛はした事がない。
…というのは変なので言い換える事にしよう。
美都は『0』と言っても過言ではないほど『男運』が無い。
誰か男を好きになり、愛し合う仲になっても、結論はいつも同じ。
逃げられる。
あるいは裏切られる。
まぁ…美都にも問題は多々ある訳であり、一概に不運とは言えない実態も少なくはない。
むしろ『自業自得』と言っていいケースの方が多いだろう。
また、ここ数年はキャバ嬢という職業に就いたせいなのか、男と関わる事はあっても恋愛の『れ』の字もない日々が続いている。
アフター(仕事後)に客から食事などに招待されても、行かない事にしているのもまた事実だ。
(それでも街のNo.1キャバ嬢という地位にいるのは、中々凄い事だと思うが。)
そんな経緯もあり、美都にしてみると優奈たちのような、無垢で純粋な少年少女たちの戯れなど目障り以外の何物でもない。
俗にいう『純愛』なんて言葉は、大嫌いなのだ。
「…アンタ、知ってるよね?私がそういうの嫌いだって事…」
「あ…いや、その…」
よく考えると、今の状況は理不尽過ぎるにも甚だしい物なのだが、おそらく今の炎真にはそんな事を考える暇さえないだろう。
恐怖で動けない…っと。
「さて…アンタ、覚悟はできてるんだろうねぇ…?」
しかしそんな事、美都からすればどうでもいい。
そのままジリジリ…と炎真に詰め寄っていく。
「ちょ、ちょっと待てよ美都姉!俺、何もしてな…」
「問答無用!!!覚悟しな!」
「理不尽だァァァァァァァ!!」
その叫びは、後の断末魔によって消滅した。