抵抗軍物語 ディスティニーズクロス
炎真の話によると、その破壊神という名前の由来とは、こんな物らしい。
…と言っても、全て人から聞いた事なので、実際の破壊神自身とは異なるかもしれないが。
『夜の街に現れし、その者。
淡く輝く銀色の髪を靡かせ
無表情に引き伸ばされた唇に
表の見えない瞳を持ち
その手が赤黒く染まる時、
そこに在るは、屍のみ。
飛び交う断末魔と血飛沫の中で
悪鬼羅刹の如く、外道を薙ぎ倒す
悪魔さえも恐れるその姿…
正に破壊神』
「…っていう。」
「……………。」
優奈は黙り込んでしまう。
同時に炎真も黙り込む。
(えーっと、こんな時…何て言えばいいのか…。え?何?その無駄にカッコつけな由来。)
※ここから先は優奈の心の叫びと思って見ていただきたい。
(いや違う。これを由来と言っていいのか?何ソレ羅刹?悪鬼?魑魅魍魎?どこの作家が考えた、何かの小説の冒頭だよ。誰が考えた現実逃避ネタだよ。)
まだ続く。
(ちょ…マジそれ考えた奴見つけだして、ぶっ飛ばしてやろうか?何でも屋の権力フル活用してやんぞオイ。)
まだまだ続く。
(…ってか、絶対ソレ考えたの、どこかの引きこもりのニートとかだろ…。この街そこそこ高いからなぁ…。最近はニートたちの暴動やら何やらはないけど…多分またその内に起こるんだろうなぁ…。そろそろ大清掃の時期かもしれないし…。)
※『大清掃』とは、五年に一度だけ行われる、燐塊町にはびこる危険分子を1つ残らず白み潰しにしていく…という、燐塊町を拠点とする悪党たちにとって、最も恐れられている計画の事である。
その余りの規模の大きさと、莫大な費用の調達の為、五年に一度という長期間をかけてしかできないものの、少なからず大清掃をしてからの二年間は街の治安はよくなるので、街の恒例行事の一つにもなっていたりするのだが。
まだまだまだ続く。
(…つーか、考えるのマジで面倒臭くなってきたな。お腹減ったし…コロッケ食べたい…。…ってか何考えてたんだっけ?あー…もうなんか全部が面倒臭い。とりあえずさっさとその破壊神見つけりゃ済む話じゃなかったっけ?コレ。何でこんな事になったんだっけ?まぁ、そういう時はこう答えといたらいいだろ…。もう本当に面倒臭い…)
様々な事が、脳裏を過りに過った結果…
「………あっそ。」
それだけ答えておいた。