time ~戻れない時間~
『知代~どした?今日は勉強すんだろ?もしかして、俺が恋しくなった?』
能天気な彼の声を聞くと余計涙が止まらない。
「………グスっ」鼻を啜る声が漏れてしまった。
『知代…?』今度は優しい声で私の名前を呼ぶ。
『知代…?どした?何かあったか?』
私返事をしない私に春二は電話を切ってしまった。
彼を怒らせてしまったのかもしれない。だけど、彼に頼りたいから。
彼に背中を撫でてほしかったから。でも、声にならなくて。
私は、迷惑をかけてしまった。
15分もたっていないときだった。
「知代っ!!」彼は急いで家を飛び出してきたのだろうか。
いつもはコンタクトレンズなのに、今日は黒の眼鏡でノースリーブにジャージだった。
何で彼には私の居場所が分かるのだろうか。
彼は私の姿を見つけて、抱き締めてくれた。
おもいっきり抱き締めてくれた。
私は、彼に抱き締められている安堵でたくさん泣いた。
いっぱい、いっぱい泣いた。
彼は私の涙が止まるまで背中を摩り続けてくれた。