time ~戻れない時間~
「どした?」彼は落ち着いた私に優しく尋ねてきた。
「おばあちゃん…死んじゃった…おばあちゃん…」
泣き止んだのに言葉にすることでまた涙が止まらなくなる。
彼は何も言わずずっと側に居てくれた。
その次の日もその次の日も学校で、彼はずっと側に居てくれた。
何にも言わず、ただ側に。
彼は一週間立った日に「おばあちゃん、知代のこと見てんだろーな。お線香上げに行こ?」そう言って笑ってくれた。
私は、お葬式に出れなかった。あの日、あの時間はお葬式だった。
でも、どうしても受け入れられなくて私は、行けなかった。
大好きだったおばあちゃん。
いつも私の味方をしてくれた。何をするにしてもおばあちゃんはいつも私に賛成してくれた。私の善き理解者だった。
彼は私に時間を開けてゆっくり話を聞きながらお線香を上げることを進めてくれた。
私は、おばあちゃんの遺骨が入ったお墓の前でありがとうと何度も言った。涙を流しながら何度も何度も繰り返し言った。
彼が居たから私は、おばあちゃんにありがとうを伝えることができた。
「春二、ありがとう」
帰り道彼にそう伝えた。
「言ったろ?嬉しいことは二倍、悲しいことは半分だって。頼ってくれてありがとな」
私は、彼に微笑んだ。