time ~戻れない時間~


「そして優勝は…」会場のみんなが唾をのむ。そして周りのみんなは私を見ている。
「な、なんで私の方を見るかな~?」苦笑いで話す。みんなはニヤニヤしているだけ。

「平池カップル!!」司会の人が大きな声で発表する。
周りのみんなが大きな拍手を送ってくる。
春二はその場に立ってギャーギャー言っている。
野球部にワイワイ言われているみたいだ。

「ほーら、やっぱりあんたたちね」汐莉が髪の毛をぐしゃぐしゃにしてくる。
「やめてよー」私は照れながら春二の方を見る。あの笑顔が好き。私は春二の笑顔を見て少しにやけてしまう。

春二はそのワイワイしている中を抜けて会場を見渡している。
「春二くーん、知代ならここだよー」汐莉は大きな声で叫ぶ。
「ちょ、ちょっと!!汐莉っ」私は汐莉の制服のスカートを引っ張る。

春二は笑顔でこちらに走ってきた。
「知代っ」春二は私の前に出てきて頭を撫でる。
「春二っ」私は彼に恥ずかしそうに微笑む。
「ほら、行くぞ」そう言って私の手を引っ張る。
「ちょ、ちょっと」私は引っ張られるがままに彼に着いていく。

「これでちょっとは、お前のモテ期も終わるだろ」ニコニコしながら小さな声で呟く春二。私はクスっと笑った。
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