time ~戻れない時間~


春二は何のためらいもなく壇上にあがった。
私は恥ずかしくて前が見れない。全校生徒に見られていると思えば恥ずかしくてたまらない。

「では平池カップルにインタビューしてみましょう」
司会の人が盛り上げながらいう。
「えっ!?そんなの聞いてない!!」私は春二の腕を引っ張りながら抗議する。
「いいじゃん。面白そうだろ」春二は楽しそうにニコニコ笑っている。

私はふてくされた顔をして下を向いていた。
突然手に温かさを感じた。手を見ると春二と私の手が繋がれていた。

「俺もほんとは緊張してっから」みんなに見えないように繋いでくれる春二の温かい手。私はふわりと笑ってしまった。

「二人の出会いはどこですか?」司会の人が春二にマイクを向ける。
「おい、春二~くっつきすぎだろー」野球部の軍団の中から春二の先輩が舞台に向かって叫んでくる。
「ラブラブっしょ!!」春二は先輩というよりみんなに見せびらかせるように私の肩に腕を回してきた。その瞬間、ヒューヒューという冷やかしが始まった。
私は恥ずかしくて前が見れない。

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