トリップループ
寄り道をせずに真っ直ぐに帰ることなんてつまらないから
フラフラ右へ左へさ迷って
そんな時私の目の前を黒い猫が横切る
目が合う
黒い猫は私を見て言ったの
「 世 界 を 救 え 」
黒い猫は私に背を向けて遠ざかる
思わず私は追いかけて黒い猫の入った森へ
そもそもこんな所に森なんかあったっけ?なんて疑問は今の私には浮かばなくて。
ただただ夢中に奥へ奥へ
導かれるよにたどり着いた先には
ちょこんと黒い猫がこちらを向いて座っていて
にゃー…と猫は鳴き声をあげ下を向く
その目線の先には漆黒の髪の少年が倒れていて
私より年下に見える彼はとても綺麗で見とれてしまう程に
近づいて彼の隣に腰を下ろして
頬に触れる。暖かい生きている
その時、彼は目を覚まして
反射的に私は手を引っ込める
目 が 合 う
周りがやけに静かで風で唸る葉の音がよく響いて
時間が止まったみたいだった
回りから見れば一秒、二秒のことだけど
私にはそれが何時間ものことに感じた