純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
もう、これで仕事しかなくなった。
仕事に生きてやる!
そんな風に強がれるのも、ほんのわずかな間だけだった。
やがて自分のアパートが見えてきたとき、もしかしたら歩が先回りして追いかけてきてくれているんじゃないかと期待している自分に呆れる。
「梓、結婚しよう」って言ってくれるんじゃないかって……。
なんとなく人の視線を感じて、ハッと目を凝らしたけれど、歩とは似ても似つかぬシルエットがチラッと見えただけ。
ただの通行人に、そんなに反応してしまう私は、愚かな女だ。
部屋のドアを開けて、玄関に足を踏み入れた途端、力尽きるようにそこに座り込んでしまった。