純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
ポケットからハンカチを取り出して、頬の涙を拭く。
あっ、これ……桐生さんに借りていたのだった。返そうと思って、ポケットに入れておいたんだ。
また、使っちゃったよ。
「それ、俺のだし」
突然私に話しかけて、隣に座った毒男。
どこから入ってきたんだ。あっ、きっと裏口。
「いいじゃないですか、くれたんでしょ?」
「そうだな。そんな鼻水ついたのは、もういらない」
「ムカつく」
そんないつもの掛け合いをしながらも、涙を止めることができない。