純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
行先って……。
私はハッとした。慌てて部屋に駆け込んで、いつもはかけないチェーンもかける。そして、部屋の窓の鍵が全部閉まっていることを確認して、全部のカーテンを閉めた。
あのパンフレット……。
アメリカ西海岸の――。
あれ、間違いなんかじゃなかった?
誰なの?
こんなことするの、誰?
歩?
違う。彼はこんなことしない。
それに、あのパンフレットには知らない旅行会社の判が押されていたし。
それをリビングのテーブルに放り投げる。
気持ち悪い。何よ、これ……。
しかも、私の名前を知っているって――。
桐生さんにキスされたことなんて、もうすっかり頭から飛んでしまった。
ビールを飲む気にもなれなくて、ソファーで膝を抱えて考える。
誰だろう……。いくら考えても、思い当たる人がいない。
ストーカーってやつなんだろうか。
どうしたらいいんだろう。
警察? だけど、何か被害があったわけじゃないし……。
その日は、一晩ろくに眠れず、ソファーで毛布にくるまって過ごした。