純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~

「ねー、桐生さん。冷蔵庫空っぽですけど?」

冷蔵庫の中身といえば、ビールとミネラルウォーターばかり。


「仕方ねぇな」

そう渋々立ち上がった彼は、玄関へと歩いていく。


「何してる? 行くぞ?」

「はっ? どこに?」

「食うもんないんだろ? スーパー」


彼がスーパーで買い物する姿なんて、何だか想像できない。

クスッと笑いを漏らすと、不機嫌な顔をした彼は、私を置いてさっさと出て行ってしまう。


「ま、待ってくださいよ」


慌てて追いかけると、ちゃんと玄関の前で待っていてくれた彼。
外で独りになるは、短時間でもまだ不安だ。


「何がおかしい?」

「いいえ、なんでも?」



< 250 / 311 >

この作品をシェア

pagetop