純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~

仕事で東京に出たのは、彼女がやってきて2週間ほど経った頃。

たった1泊の出張がこんなに長く感じたのは初めてだった。


「田舎者の桐生さん、都会はいかが?」

「うるせー。田舎者の純悪女」


その晩彼女からかかってきた電話に、舌打ちしつつも思わず顔がほころぶ。
悔しいけど、アイツには人を笑顔にする力があるらしい。


散々二人で悪態をついて、そのうち何の会話かわからなくなって……それでも最後に「明日、何時に帰ってこれますか?」と聞かれたとき、やっぱり顔が緩んだ。

帰ってきますか? じゃなく、帰ってこれますか? だったからだ。



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