純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
いつも乗る電車に揺られて、会社の裏口から入ると、自分のデスクに行くまでの間に休憩室がある。
そこから、なにやら声が聞こえてきて、ハッとした。
歩だ。
今日も、来てたんだ。
私が休憩室に顔を出そうとしたとき……。
「だって、歩さん、安永さんと付き合ってるんですよね」
それは真奈美ちゃんの声だった。
「そうだけど、束縛しない関係なの。だから大丈夫」
はっ?
そんな歩の声に、思わず足を止めて聞き耳を立ててしまう。
「えー。映画だけで済むかなぁ」
「済むか済まないかは、真奈美ちゃん次第だよ。真奈美ちゃん可愛いし、俺の方は全然OK」
私も大人だ。
歩がなにを言っているのかくらいはわかる。
私はバッグをギュッと胸の前で抱きしめたまま、動けなくなってしまった。