天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅩ
「誰にでもついていっては危険ですよ?…この学園にも、善人ばかりとは限らないのですから…」

小岩井が、それとなくチビッ子女子生徒を注意する。

「えへへ…ごめんなさぁい」

照れ臭そうに笑う女子生徒。

あまり反省している様子ではない。

と。

「あ♪」

彼女は小岩井の横を通り過ぎ、花壇の方へと向かう。

「グラジオラス大きくなってる♪ちゃんと綺麗なお花咲かせてね♪」

まるで小動物の頭でも撫でるように、彼女はグラジオラスを愛でた。

「…そのグラジオラスは貴女が植えたのですか…お花っ子さん」

小岩井が呟く。

< 45 / 264 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop