【完】校内1のイケメンに恋をした!!
「真由」
ふと、後ろから優しい声が聞こえた。
トレーナー姿の龍輝さんはすっかりリラックスモードで、制服をしっかりと着込んでる私は、なんだか馬鹿みたい。
…って、それよりも。
「あの、龍輝さん。
ご飯、ちゃんとしたもの食べなきゃダメですよ?」
「え? あぁ…それは大雅が食ったんだよ」
「へ? 大雅さん?」
「そ。 アイツしょっちゅう泊まりに来るんだ。
で、買ってきた物を食い散らかして帰ってく。
俺はちゃんと自炊してるよ。ほら」
言いながら冷蔵庫へと促し、ドアを開く。
そこにはきんぴらや煮物が入ったタッパーが並び、冷凍庫の中も作り置きされたものがいっぱいある。
「…全部、龍輝さんが作ったんですか?」
「まぁ、大体はね。
一応、弁当も作って持っていってる」
「……なんか、男の一人暮らしとは思えない感じですね…」
「よく言われる」
苦笑気味に笑い、冷蔵庫のドアを閉める。
「俺、料理すんの好きなんだ」
「…そっかぁ…私はあんまり、料理ってしないなぁ。
あ、出来ないってわけじゃないですよ?
する機会が少ないって言うか…、まぁレパートリーも少ないですけど」
「つまり苦手なんだ?」
「うー…多分、苦手かもです…」
あはは、と楽しそうに笑う龍輝さん。
…楽しそうって言うか、もしかして馬鹿にされてる?
「…もぉ、そんなに笑うことないじゃないですか」
「ごめんごめん。
でもさぁ、お前が料理してるとこ想像したらおかしくて。
チャーハン作ったらボロボロ落として量が半分くらいになりそう」
「ちゃんと作れますよ!…多分、ですけど」
「あははっ」
うぅ…すっごい笑われてる…。
でも本当にそうなりそうな気がするから、あんまり言い返せない…。
「なんか良いな、こういうの」
「え?」