境界線
舌が好きなように弄ばれて、意識もぼんやりとしはじめる。駄目だと思った。
気持ちよすぎる。
「やっぱり意外です」
体制を変え、高橋は上から私の顔を覗きながら嬉しそうに言った。ベッドの端から枕をひっぱり、私の頭の下に置く。
「部長って、可愛いんですね」
三度目の、やられたな、だった。
言い終えると同時に腰を動かされた。たった一回動くたびに頭に電流が走る。正常ではもういられなかった。
「部長にベッド連れてかれたとき、俺絶対SMプレイされると思ったんです」
「…何で…私、別にSじゃないし」
朦朧とした意識の中、適当に返事をする。セックスの最中に会話なんてしたことない。
高橋は私にまた深く口づけながら、一層激しく動く。もう腰に力が入らなかった。ただ攻めてくる快感の波に流されるままに高橋にしがみつく。
「だってオフィスでは恐いです」
「あれは仕事だから」