移り気な男とワケあり少女の×××!
「わたしには婚約者がいるの。」
「まぁ、素敵!」
「ええ。とても良い方でわたしをとても大切にしてくださるの。」
しかし、そう言いながらも儚い顔をする。
メイベルは首を傾げた。
「ただ彼はとても忙しいの。この家はもともと婚約中のわたしのために彼が用意してくれたものなんだけれど、なかなか顔を見ることもできないのよ。特にやることもないし、じっとしていると気が滅入ってしまって…」
利用しているみたいでごめんなさいね、と付け加えたらメイベルは感じ入ってしまった。
「そんな…!
その方は最愛のあなたを置いて何をしているのでしょうか!」
「彼の家は豪商で、だから跡を継ぐ彼も大変なのでしょう。」
「どれくらい会っていないのですか?」
「…そうですね、もう半年になるところでしょうか。」