移り気な男とワケあり少女の×××!

どんどん語尾が小さくなっていく。
アーシェはついだ紅茶を二人分もって、メイベルの目の前に座った。

「わたしは、どうすれば…」

手で顔を覆って泣きはじめたメイベルの肩を優しくたたきながら、アーシェは何かを考える素振りをする。
そして、「あ」と言うと「メイベルさん!」と明るい声で呼びかける。

「ひとまず距離をおいてみるっていうのはどうでしょう?」
「…距離を?」
「そう! 1ヶ月くらいお暇をいただいて。」
「でも、1ヶ月も家にお金がいかないのはちょっと…」
「私がメイベルさんの代わりに1ヶ月働きます!」

突然のことにメイベルは目を見開いた。
1ヶ月間、自分の代わりに働いて、そのお金はメイベルの家に入れていいと言う。
そんなの、こちら側に都合が良すぎる話だ。
だんだんと怪訝な顔になるメイベルにアーシェは、思いきったように切り出した。

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