移り気な男とワケあり少女の×××!

そんなフリード坊ちゃまにも、「お気に入り」はいるわけである。
「お気に入り」は日毎に変わる。
ちなみに今日のお気に入りは、下流貴族の娘である。

「マリア、お前の清純さはわたしを癒してくれる。」
「めっ、めっそうもございません…!」
「愛している。」

そうやって抱きしめて、耳元にキスを落とす。
マリアは顔を真っ赤にしつつも、うっとりとフリードの名前を呼ぶのだ。

「フリードさま…」

明日には「お気に入り」は変わる。
54人もいる恋人の長い長い順繰りで、今度いつ自分がお気に入りになれるかわからない。

そういう環境でも女たちは、「もしかしたら最後には自分を選んでくれるかもしれない」と待ち続けてしまうのだ。
いつも、フリードがくれる愛は哀しくも本物だから…


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