移り気な男とワケあり少女の×××!
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時を同じくして、とある路地裏。
フリードが本日の「お気に入り」であるマリアに愛を囁いている時、一人の勤勉家の少女は重大な決断をしようとしていた。
「そんなに大事なことなのか?」
「はい。」
「何度も言っているように、お前の諜報は既に一流だ。
今はまだ軍の諜報役の一人だが、ひと月もしないうちに国王お抱えの隠密部隊に配属されることになっている。
それでもか?」
「だからこそ、です。」
少女には必死に訴える。
「私は国王の部隊に入る前にどうしても、自分を大きくしたいのです。
この機会に行かなければ絶対に後悔すると思います。
どうかお願いします!」
少女は自分の上司に向かって頭を下げる。
その姿は限りなく真摯であった。