移り気な男とワケあり少女の×××!

アシェルは他人に成り代わる術を身に付けている。
しかし、たまに自分が偽物だと見破られる時がある。
最初は全く気づかれない。
しかし、しばらくすると「なにかが違う」と勘繰り出してくるのだ。

アシェルには自分に何が足りないかがわからない。
容姿は完璧なはずで、成り代わる相手の細かい癖などはしっかりコピーしているはずだ。
師匠に聞いたら、恋愛をしている乙女の顔を研究しろ、と言われた。

と、言われてもアシェルの周りは諜報か暗殺を生業にする者ばかりでそんな色めいた話ができる人自体がいない。
研究しろ、と言われてもどうしようもないのが事実。

“来るもの拒まずで四六時中、回りに女が蔓延らせている公爵の坊ちゃまがいる。”

アシェルが本当に手詰まりで途方に暮れていた時、ふとそんな噂を聞いたのだ。

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