移り気な男とワケあり少女の×××!
(行くしかない。)
恋した乙女がうじゃうじゃいる場所。
アシェルの研究意欲は刺激された。
ワルドローズ公爵子息、フリードリヒ·アルフレイム侯爵。
調べれば簡単に情報を手に入れられた。
麗しい容姿と溢れんばかりの才能。
(この男は豊穣の神に愛されているに違いない。)
アシェルはフリードを見て、そう思った。
かく言うアシェルも諜報の神に愛された子なのだが、本人はそれを自覚していない。
今回の研究を成功させるために、アシェルはワルドローズ公爵家にて小間使いをすることにした。
ゾルガはアシェルが貴族屋敷で住み込んで働くことに不安を覚えている。
そこでリューも一緒に行かせるらしいがアシェルに言わせてみれば、どんな身分にも成り代わる自信がある自分はともかく、リューこそ無理だと思うわけである。