あの夏の君へ





「亜樹、おはよ」

「…あ、おはよ」

「照れてんなよ…」

「照れてないし!!」

「照れんのやめて。俺まで照れるし!!」

そう言って、席に着く荻。




昨日、彼氏ができました。

教室はいつもと同じように、ざわめいています。

空にはいつもと同じように、太陽がのぼり、夜には月が現れてます。

それでも昨日とは違う今日がありました。

彼の背中がいつもと違って見えた。

彼の制服姿も、立ち姿も、横顔も。

全てが輝いていた。





< 103 / 278 >

この作品をシェア

pagetop