紅梅サドン
「親は心配してないの?嫁入り前の娘がこんな秋ジイみたいな飢えた野獣の所に住んでてさあ。」

「誰が野獣だよ。」

ケラケラと笑う雪子は、微笑んでルノーに答えた。

「父と母は厳しい人達ですけど、結構理解のある親なんですよ。

一人暮らしするのも大賛成でしたし。

『早く自立しなさい』なんて母は言ってましたよ。

ワインもっとお持ちしますか?明日は日曜日で、秋さんもお仕事がお休みですしね。」

楽しげに雪子はそう言うと席を立ち上がり、いつも着ている白い長袖シャツの袖を少しだけ上にまくり上げた。



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