紅梅サドン
白枝に似た細い腕が見える。

しかし僕はあるものに気づいた。

その白い肌に何かのアザみたいなものが見える。

たとえて言うなら打撲の後に回復してきた様なーー黒みがかった紫。一見すると染みの様にも見えた。

殆ど気にならないが、まだうっすらと残っている様だ。

子供の頃に階段から落ちた後、そんな痕がしばらく残った記憶がある。

確かに、しばらく立つと消えて無くなるのだが、意外としつこく残るものだ。

雪子の抜けるような白肌が、そのアザを特別に浮かび上がらせているのだろう。

どこか道端や階段などで、派手に転んだりしたのだろうか。

雪子はワインを冷蔵庫から持ち出すと、やっぱり楽しそうに僕の隣へちょこんと座った。



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