アイ・ラブ・おデブ【完結】
「…そうだ…僕は…環を選んだ…
環が望むように傍にいる…」

ギュッと目を閉じてわき上がる感情を無理矢理に閉じ込め、冷たく言った

僅かな沈黙の後、背中に愛しい人の温もりが触れた

お腹に回された腕に力が込められている

そして小夜の口から紡ぎ出されたのは、遥への深い愛の言葉だった

…僕も愛している
君を離したくなんかない
けれど…こうするしか君を守る方法がないんだ
本当にすまない…

身も心も引き裂かれそうな苦しみを深い呼吸でなんとか落ち着かせる

「ごめん…もう決めたんだ…
ここも引き払うし、店も雅晴に譲る…
その手続きのために帰国した
…もう…僕のことは…
…忘れてくれ…」

とても顔を見てなんて言えず、背中越しに別れの言葉を口にした

…忘れてくれだなんて…これっぽっちも思っていないのに…
きっと泣いてしまうだろう
けど、その涙を拭うことはもうできない…
泣き止ませるために抱き締めることも…

だが、遥の考えとは違い、小夜は震えた声ではっきりと続けた
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