アイ・ラブ・おデブ【完結】
きっかけは自宅にかかってくる電話からでした

女の声で
"お前には相応しくない"
"もっと自分を知った方がいい"
"よく考えろ"
といった、初めは何のことか分からない内容でした

けれどもハルカと親密になるに従って電話だけではなくなりました

部屋の中に誰かが入ったような形跡があったり、宅配便でネズミの死骸が送られてきたり、夜道を誰かに付けられたりと身の危険を感じるようになりました

その恐怖の中で、日だまりのようなハルカに安らぎを求めていきました

私は、もうその頃には壊れていたんだと思います
安らぎを求めてハルカを縛りつけてしまったんですから…

ハルカが急に日本に帰った日…
脅迫者からの最後通告の手紙を受け取りました
その時、私にはその脅迫者の正体が分かりました

"遥には私よりも相応しい人がいる
これ以上傍にいることはできない"
そう告げてハルカと別れるように
この言葉と自分の命とどちらを選ぶのかは自由だ

と書かれたカードからはあの匂いがしました

あの薔薇の匂いが…
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