アイ・ラブ・おデブ【完結】
…薬を混ぜるなんて…犯罪になるんじゃ…
環様はあの男を眠らせてベッドを共にするつもりなのだろう
幾ら色気で落とせないからって…これは…
けど…断れば職を失う

二人分の夕食を準備しながら悩んでいた

日付が変わる前に環の想い人は帰ってきた

食事は済ませてきたと言い、直ぐに自分の部屋へと入ろうとしていた

「ねえ…遥!
新年初めて顔を会わせたんですもの…少し付き合って頂戴」

今夜も自慢の体のラインを際立たせたドレスを纏い、大輪の薔薇の如く微笑んだ

断る立場にない遥は疲れた表情のまま、環のソファの隣に少し間を空けて座った

…どうしたものか…

手の中にある白い粉を見つめ、ミーシャは苦渋の決断に悶えた

目の前の年代物のワインにただ混ぜればそれで終わる

そんなことをしてまで環の命令に従う義務があるのか

ミーシャの中の善と悪が激しくせめぎ合っていた
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