アイ・ラブ・おデブ【完結】
「…じゃあ…料理は作ってないの?」

「あぁ…今年に入ってほとんどしてないな…
そうだ…してないんだ…
気づかなかったな…」

小夜の質問を聞いて、初めてそのことに気づいた

あんなに料理をするのが好きだったのに、半年近くも包丁を握っていない

そんな大切なことに気づかず、過ごしてきたのだ

気づいたら無性にキッチンに立ちたくなってきた

…僕は何をしていたんだ
そうだ…僕は料理を作りたい…
誰かに喜んで食べてもらいたい…
あぁ…さあやに食べてもらいたい

急にそんな思いが溢れてきた

「さ…さあや…」

その名を口にすると胸が苦しくなり、涙がこぼれ落ちそうになる

「…なあに?」

視線を遥の方に向け、次の言葉を待っている

けれど、何を言えば良いのか、何を伝えたいのか…いっぱいありすぎて言葉にはならない

小夜の視線を感じながらもそちらを見ることは出来ず、瞳を閉じた

「…僕のこと、怒っているよね?
あんな酷いことをして…」

当然、肯定の返事が来ることを想定して口にした
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