アイ・ラブ・おデブ【完結】
…そっか~だから店に行った時にあんなに喜んでくれたんだ…
そっか…そんなにもあたしのことを…
どこにいるのかも知らない…
10代で結婚したと思ってたあたしを…ずっと…

想いの深さを知り、胸の前に交差するたくましい腕にしがみついてこらえきれぬ涙を拭いた

「ハル…」

それ以上言葉にできず、引き締まった力強い腕に子供のように抱きついていた

「さあや?僕のストーキングを受け入れてくれるの?
ありがとう…」

コクコクと頷いた小夜を振り向かせ、その泣き顔に優しくキスを落とす

頬を伝わる涙を唇で掬い…
泣き腫らした瞼をいたわるように…
赤くなった鼻に愛しさを込めて…
嗚咽が漏れる唇は啄むような優しいリズムで…

ありったけの気持ちを込めてキスを繰り返した

「さあや…愛してるよ
僕の全てを…君にあげる…
さあやの全てを僕に委ねてくれるかい?」

やっと泣き止んだ小夜に恐る恐る聞いた

もしも、拒否されたなら遥はシベリアの極寒の地にでも旅立つことだろう

泣き腫らした瞳をゆっくりと開いた小夜は、少女のような笑みを遥へと向けた

「もう…ハルのものだよ
しつこいとか…重たいとか…
後でクレームがあっても、返品は駄目だからね!
ふつつか者ですが末永くよろしくお願いします」

やっと手に入れた温もりを互いの肌で確かめるような、熱い夜が更けていった
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