アイ・ラブ・おデブ【完結】
錦鯉に見られて
後ろからは

「まあ!スラリとした可愛らしいお嬢さんね
淡いピンク色が白い肌にとてもよくお似合いねぇ」

「ええ本当に…
お着物もとても素敵ですわ
友禅ですか?」

などという声が聞こえてくるが小夜にとっては誉められても少しも嬉しくない

少し離れた所で良孝が待っていた

「すみません…」
と近づき謝ると、何も言わずに良孝は池のほとりへと歩き出した

池には赤や白、金色に輝く色とりどりの錦鯉が丸々とした体をくねらせ悠然と泳いでいる

小夜は夏休みに由美子が生け捕りにしていた地味な学校の鯉を思い出していた

…あの子達もこんなに立派な体になるのかな?
そしたら由美子さんも捕まえられないよね
この子達は餌が違うのかしら?
広い環境がいいのかな?
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