アイ・ラブ・おデブ【完結】
祖母の言葉を待っていたが、難しい顔をしたまま話し出そうとしない

「小夜は部屋に戻っていなさい」

と父が優しく促してくれ祖母の元から解放された

廊下の角には心配そうに母と圭輔が待っていた

「小夜!叩かれたのか?
あんのババア…年寄りじゃなきゃぶん投げてやるとこだ…」

赤くなった左頬にそっと触れながら小さな声で怒りの抗議をした

「ごめん…あたしが悪いの…
もっと早く…自分の気持ちを…言わなかったから…」

「もういいわよ…ほら!
お風呂に入っちゃいなさい…
後は父さんに任せて大丈夫よ」

いつもの笑顔でいてくれる母を見ると、それまで張りつめていた緊張が緩み涙があふれてきた

二人に涙を見せないように顔を伏せて頷くと、自分の部屋へと急いだ
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