アイ･ラブ･おデブ【完結】

エレベーターの先には、薄暗い僅かな灯りが足元を照らすだけの静かな空間が現れた

ナースステーションの中は誰も居らず、ピッピッと不規則な電子音が響いているだけだった

しばらく待ってみるが人の気配はしない

廊下の奥の方でナースがワゴンを押して歩いている姿をやっと見つけた

急ぎ足で近づき小さな声で話しかける

「あの…お忙しいところすみません…
平野 千鶴(ヒラノチズ)の部屋はどこでしょうか？」

若いナースはハッとした表情をし、すぐに頭を下げた

「皆さん…地下の方に居られます
エレベーターで地下一階に降りて右手の一番奥へとお進みください」

そう教えると忙しそうに離れて行ってしまった