アイ・ラブ・おデブ【完結】
「…ん…お…おぉ…」

父は遥の方を見ようとせずに、キョロキョロと落ち着かない

洗いあげられている湯呑みや茶托を手に取り、無意味に眺めたりしている

これまでに未経験の異様な空気感に小夜が居たたまれなくなった時、遥が口を開いた

「小夜さんと少し出掛けてきてもいいですか?」

父は背中を向けたまま、小さな声で答えた

「…あっ…あぁ…
…夕飯までには…戻って来るように…」

ボソボソと手の中の湯呑みに答え、小夜達から顔をわざとらしく背けて出ていってしまった

…ふぅ~…緊張した…
ってあたしは何もしてないけど…
お父さん…何しに来たのかな?
まさか洗い物のチェック?
< 921 / 1,499 >

この作品をシェア

pagetop