ヴァムピーラ
「レアにはリキの気持ちはわからないし、君にもわからない」
「でも・・・」
「もしもリキのことが気になるなら、君は直接リキと話をするべきだ」
私は河島さんを見た。
「君は、リキのことが気になっているんだろう?」
私は即座に頷いた。
「きっと、リキも君の事が気になっている。だけど、自分がヴァンパイアだということを引け目に感じているはずだ」
「でもっ、リキはリキです!」
人間とか、吸血鬼だとか関係ない。
母は母で、レアさんはレアさんで、リキはリキだ。
私にとってそれは、それ以上でもそれ以下でもなくて、一番大切なことだ。
私の言葉に、レアさんが微笑んだ。
「その言葉、リキに聞かせてあげて?」
私は、頷いた。