一般人になるまで
「な、病院行こうぜ!」

デートと言うには、雰囲気もなにもあったもんじゃない場所をチョイスする拓人に最早溜め息しかでない由紀

「ね!お願い!俺将来医者になりてぇんだよ!」

は?
コイツ今なんていったの?

「え?よく聞こえなかったわ、何て?」

「医者になりたいんだよって言った」

人殺したいとか言って、ナイフやら刃物を集めて、隙あらば私の首を切ろうとしてきたりするあなたが医者?

「何言ってるの、その手の冗談はよくないわ」

「お前失礼だろ!」

「何よ、だって全く逆の仕事じゃない」

医者は人間の命を救う仕事だとコイツは知らないのだろうかと根本的な部分から考え直してみるが、流石に高校生になってそんなことも知らない奴はいないだろういくらコイツが馬鹿でも、と頭の中で否定をする

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