2番目でいいから【完結】

智恵子の言う事が、わからない

美和には、学校では僕との事は秘密だと言った。
僕と智恵子の事は、有名だった。
そこに、美和のことがバレルとなると、美和も余計な事に巻き込まれる可能性もある。

でも、僕には、智恵子1人しか、気が向けれないし、それだって充分に守ってあげれてないのが、現状だ。
だから、美和には、ただの後輩として、学校ではいて貰う以外に、守る手だてがなかった。

美和は、一瞬寂しそうな顔をしたが、「わかりました。」
「智恵子先輩のことがありますもんね。」と言った。

学校を出れば、美和に恋人らしいことをしてやった。
それは、我慢させてることへの罪滅ぼしの気持ちもあった。

それでも、美和に手を出す事はしなかった。
美和は可愛い後輩だったし、この関係が終わった後に、美和に後悔して欲しくはなかった。

それに、僕には遊ぼうと思えば、遊ぶ女には困らなかった。
智恵子に会えず、心が疼く時に、とうとう僕は、昔のように遊びの女を抱いた。

たまらずに、智恵子に謝った。
智恵子は「いいのよ。それで。」と言う。
「何がいいんだ?」と言うと「そうやって、私を忘れて。」と言う。

僕は唖然とした。
「忘れてなんだ?」
「僕は、ち~の事しか本当は抱きたくないんだぞ。」と言うと、哀しそうな顔で「ふゆ君の心の1番を誰かに譲ってあげて。」
「美和ちゃんでもいいから。」と言う。

僕には、智恵子が何でこんな事を言っているのかわからずに、イラツイタ。
「無理だ。」
「僕の中の1番は、ち~だ。良く、覚えとけ!!」と言って、席をたった。

そのあと、智恵子がどんなに泣いていたかを、だいぶ後になって聞かされた。
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