2番目でいいから【完結】

智恵子の父親

智恵子を家に送って行った。
智恵子は、怪我のことを、ドジだから転んだと説明したけれど、両親は納得していなかった。
僕に説明を求めた。
僕は、包み隠さず話した。

智恵子のお父さんが「これ以上は、智恵子とつき合って欲しくないというのが、親の気持ちだ。」
「わかるね? 智恵子は、私たちにとって、大事な娘だ。」
「こんな怪我をさせる恋愛をさせたくない。」と言った。

智恵子のお父さんのいう事は、もっともだった。
「智恵子さんを守るために、全力で戦ってます。」
「もう少しで結果が出ます。」と言った。

智恵子が「お父さん。私ね、怪我のことがあってもなくても、冬哉さんが必要なの。」
「だから、つき合いを認めてください。」と言った。

智恵子の父親は「こんなに怪我をさせてもか。」とため息をついた。
そして、冬哉に向かって「いいか。ちゃんと守れよ。」と言った。

僕が帰ろうとした時、智恵子の1番上の兄貴が立ち上がって、「送るよ」と言った。
そして、最寄りの駅まで、送って貰った。

車の中で、「妹をあんまり我慢させないでくれよ。」と言った。
「泣き声を殺して、泣いてる姿を見るこっちの事も、考えてくれ。」と言った。
僕は「すいません。泣かせないように、頑張ります。」としか言えなかった。

智恵子がそんな泣き方を、してることすら知らなかったんだから。
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