大好きなアナタと、気になるアイツ【番外編更新中】
由香里たちは晩餐会の会場であるホテルに来ていた。

あの後、由香里のドレスについては西園寺が手配をして1時間もしないうちに会社に3着ものドレスが届いた。

デザインはどれも凝った作りのもので、並べられたドレス達を見た由香里はその素晴らしさに恐縮しつつ、薄いサーモンピンクの胸から裾まで広がるレースのフリルが美しいAラインのロングドレスに袖を通した。

そして衣装とともにやって来た女性にアメイクと化粧を施され、西園寺たちはそのまま迎えの車に乗り込んで会場へと向かったのだった。



◇◆◇◆




晩餐会といっても立食形式のもので由香里たちが到着した時には既に大勢の人が
ホールにいて、優雅なピアノの音楽とともに和やかな笑い声が響いていた。

由香里は西園寺にエスコートされて会場の中で一番人の集まっている場所に連れていかれた。

人の輪の中心に入ると、初老の男性と一人の外国人がいた。

「本日はお招きありがとうございます。」

西園寺は初老の男に向ってきれいにお辞儀をする。

由香里も彼にならってドレスの両端を少しつまんでお辞儀をした。

「ああ、西園寺くん。来てくれてありがとう。」

由香里は顔を上げて男性を見つめて気がついた。

彼は外務大臣の今川だった。今日のパーティーの主催者だろうか?

由香里は隣のブラウンの髪の外国人に視線を移した。

すると、視線があった彼は由香里に向ってにっこりとほほ笑みかける。

「ツヨシ、可愛い子を連れていますね。」

流暢に日本語を操り、西園寺の事を剛と呼ぶ男は由香里に向って手を差し出した。

由香里はそっと握手を交わし、ほほ笑みを返した。

すると西園寺がグイっと彼女を引き寄せる。

「カリフォルニア州知事になったんだろう?おめでとう。」

明らかに不機嫌な、それでいて砕けた言い方に西園寺と眼の前の男が深い付き合いなのだと知れた。

「やっと落ち着いたころには、ツヨシが日本に帰ってしまっていたので私が来ちゃいました。」
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