大好きなアナタと、気になるアイツ【番外編更新中】
二人はテラスへと移動した。
パーティー会場の外へ出て夜風に当たると先程まで火照っていた方が冷やされて気持ちが良い。
由香里たちのほかにはテラスに出ている人影もなくドア一枚隔てているだけなの
に辺りはしんと静まり返っていた。
「ありがとうございました。」
由香里は改めて西園寺にお礼を言う。
あそこで彼が助けてくれなかったらきっとそのまま由香里は斉木にキスをされていただろう。
キスというキーワードから由香里は先週のショッピングモールでの木崎との一件を思い出してしまい、折角火照りが引いた顔が再び熱を持ち始めてしまう。
「……何を考えている?」
西園寺の冷たい声で由香里は我に返った。
「えっ……?」
「なぜ、私のそばから離れた?」
由香里は、それは友人と話す西園寺の邪魔をしたくなかったからだと言おうとしたが、自分を見つめるレンズ越しの冷たい瞳がそれをさせてくれない。
「お前はパーティーの同伴者の意味をどう理解している?」
「私は……。」
確かに西園寺に何も言わずにあの場を離れたのはいけないことだったかもしれない。
自然に由香里の視線が足元に落ちていく。
「お前は軽率すぎる。」
西園寺は彼女の顎に手を添えるとクイッと上を向かせた。
二人の視線が絡み合う。
「確かに…あの場を離れたのは軽率でした。」
「じゃあ、あの時私が気付かなかったらどうなっていたかわかるか?」
西園寺の呆れたような呟きを聞いて彼女の目尻にうっすらと涙が溜まる。
「子供じゃないんですからそれくらい分かります……。」
由香里は今にも泣き出しそうな声で西園寺に言い返した。
「……本当は斉木にされたかったのか?」
目の前に迫った西園寺の整ったきれいな顔を由香里は茫然と見つめる。
「……キス。」
パーティー会場の外へ出て夜風に当たると先程まで火照っていた方が冷やされて気持ちが良い。
由香里たちのほかにはテラスに出ている人影もなくドア一枚隔てているだけなの
に辺りはしんと静まり返っていた。
「ありがとうございました。」
由香里は改めて西園寺にお礼を言う。
あそこで彼が助けてくれなかったらきっとそのまま由香里は斉木にキスをされていただろう。
キスというキーワードから由香里は先週のショッピングモールでの木崎との一件を思い出してしまい、折角火照りが引いた顔が再び熱を持ち始めてしまう。
「……何を考えている?」
西園寺の冷たい声で由香里は我に返った。
「えっ……?」
「なぜ、私のそばから離れた?」
由香里は、それは友人と話す西園寺の邪魔をしたくなかったからだと言おうとしたが、自分を見つめるレンズ越しの冷たい瞳がそれをさせてくれない。
「お前はパーティーの同伴者の意味をどう理解している?」
「私は……。」
確かに西園寺に何も言わずにあの場を離れたのはいけないことだったかもしれない。
自然に由香里の視線が足元に落ちていく。
「お前は軽率すぎる。」
西園寺は彼女の顎に手を添えるとクイッと上を向かせた。
二人の視線が絡み合う。
「確かに…あの場を離れたのは軽率でした。」
「じゃあ、あの時私が気付かなかったらどうなっていたかわかるか?」
西園寺の呆れたような呟きを聞いて彼女の目尻にうっすらと涙が溜まる。
「子供じゃないんですからそれくらい分かります……。」
由香里は今にも泣き出しそうな声で西園寺に言い返した。
「……本当は斉木にされたかったのか?」
目の前に迫った西園寺の整ったきれいな顔を由香里は茫然と見つめる。
「……キス。」