七つの椅子
「広すぎねー…?」
部屋の中央に長テーブルが縦に連なり、左右には単調な作りをしたイスが並んでいる。
何脚あるのか手前から数えてみたが、多過ぎて途中で数えるのを諦めた。
「この中にあるのか?」
扉に一番近いイスを引いて腰掛ける。
俺の所有する金の椅子と座り心地が似ていると思ったが、同じ作りなら座り心地だけでは判断出来ないと考えなおす。
「私の勘が当たってれば、この中にありそうなんだけど…気を感じられないから特定出来ない」
う~ん、と唸りながらエレナはシャープな顎に手を当て、俺の向かい側に並ぶイスを一つ一つチェックし始めた。
「椅子同士同じマークでも付いてれば探せたんだけどな。単調な作りは同じでもここにあるイスは全部見た目が一緒だからな……」
俺は隣のイスの背もたれを撫でながら眉を寄せる。
エレナは俺から少し離れたイスに座り、左右の椅子を見比べる。
「ダメだ、見分けられない!!」
脱力し、長テーブルに顔を伏せたエレナ。